酒と食い物  
 

“イギリスの食い物はまずい!”ってみんな言うよな。ってゆーよりほとんど世界的にそれが常識ってかんじだ。ウイスキーはあんなにいいものいっぱいあるのに・・・。
 いや!きっと原因はそこだ!フレンチともイタリアンともドイツともその他の国々との決定的な違いはそこら辺にあると思うんだ。もちろん、日本とくらべてもね。
 つまりこういうことさ。美味いものがある国ってえのは美味い酒がある。え?矛盾してる?まあ、話は最後まで聞きなよ。決定的に違うのはさ、食事しながら飲む酒が無いってことさ。他の国はワインだったり日本酒だったり食事と合わせて飲んだり、酒に合わせて食事を考えたりするわけだ。おかずだったり肴だったり・・・。ん?じゃビールはって?ありゃ、パブで飲むものでしょ。つまみ程度はあるけどさ、飯食うところじゃないよな。つまり、そもそもそんな文化がなかったって事だろな。なんだか宗教的にもまじめな国ですもの。お祈りしてから飯を食うのに、かんぱ〜い!はねえだろ?ドイツあたりはビール飲んでバクバク食うし、アメリカ人もそうだよな。その辺の影響を受けたのかどうかは知らんが、日本でもビールはそうなってるし、かなり老舗な料亭でもビールは出るよね。もともと、食事と酒の間にまったく壁がなかったから、わりと簡単にそうなったような気がする。
 いま、うちらが普通に食ってる焼き鳥なんてさ、どっちかってえとビールに最適化してるような気がするもん。昔は、もっと違った味だったんじゃねえかな。で、こんどはその焼き鳥なんかに合わせてホッピーだのサワーだのってのが変化形として出てきたんじゃないのかなあ・・・。
 つまり、そうやって酒と、食い物と、人と、生活が、相互にかかわっていくそのことが文化なんだろうな。イギリスでは酒文化と食文化は別のものかもしれないけど、日本においては食文化を考えないで、酒のことはかんがえられないってことだよな。
 まあ、簡単にゆーと日本じゃ酒に肴は常識ってこったな。そう考えながら、居酒屋なんかで出る食い物を考えなきゃ酒のことなんかわかんねえってとこじゃねえの?
 日本人はイギリス人ほどストイックじゃねえってこったな。

                                     日本名門酒会会員 岡星

 
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