それは、ある日突然に・・・

 気づけば最近、朝から晩までパソコン三昧。おまけに会社に行ったら行ったで馬鹿息子の子守り。日々そんな生活を続ける俺の心はささくれだち、釘バットのように・・・触れれば怪我じゃすまないぜ!あたりまで弱っていた。
 癒しがほしい・・・。そう思った俺は二子玉川のガーデンアイランドで植木を探していた。
 手ごろな奴を求めてさまよい歩く俺の前方、レジの脇になにやら美しく輝くガラスの花瓶があった。花瓶といっても、無機的なガラスの四角い立方体に水を入れてあり、その中になにやらライムグリーンの植物がいた。これだ!水モノだ!電磁波だらけのあの部屋に癒しをもたらす救世主といえばこれだぁ!レジのねえちゃんに植物の名前を聞いた俺は、さらに素適な器を求めてガーデンアイランドをさまよい歩いた。
 これがいい。雑貨やの片隅で素適なほどにまんまるなガラスの器を見つけた。いいねえ。でも何か金魚鉢みたいだよなぁ・・・。そーか!魚を入れよう。昔、ビンに入ってるちっちゃな魚を売ってたなぁ。イメージはあれだ!
 早速うちに帰って、草を植えてみる。あら、涼しげでいいじゃない。あとは、ここにメダカ・・そう!メダカかなんか入れたら超すてき。明日になったら多摩川にいってメダカを獲って来よう。などとわくわくしてたりした。

 翌日、会社に行ってすぐにネットでメダカを調べる。ふんふん。多摩川のメダカ・・・レッドデータブック・・?・・絶滅危惧種?・・・。えー!だめじゃん!そーか。そうだったのか・・・。もう地球はそこまで来ていたのか。オー!ミスターブルー。
 ま、でも何かペットショップとかで売ってたみたいだし、確か有楽町に熱帯魚屋があったよな。帰りに寄ろう。とか考えてた。

 寄ってみた。本格的熱帯魚屋さんだった。「今餌用のメダカが切れてるんですよ。」しかも、“えさ”らしい。がっくりしつつも店内の水槽を覗いてみた。そう!これだ!俺は最初からこれを求めてたんだよ!お魚バンザーイ \(≧∇≦)/\(≧∇≦)/\(≧∇≦)/\(≧∇≦)/ キャァ♪

そして、初号器・・・
ファイヤーラスボラ&スカンクシュリンプ(後に赤ヒレ追加)  俺は店のおにいちゃんに話し掛けた。非常にコギレイでかつ都会的なショップで、これから魚を飼おうかと思うんですけど・・・。なんて俺は言えなかった。しかも、雑貨屋で買った器に、もう名前すら忘れてる草が入ってますなんて絶対言えない雰囲気だった。
 あのぅ・・。子供がね・・。夏休みの研究でぇ・・・。
 ・・・兄ちゃんの勧めるままに、ファイヤーラスボラx2、スカンクシュリンプx2、ウイローモス、フリーズドライ赤虫をお買い上げの俺がいた。
 家に帰って早速投入。水合わせも何も知らない童心の俺。確かに、俺の中の子供は大喜び。さっそく絵日記でもつけんばかり!
 翌日、餌をあげてるとその後の展開に大きく係わる出来事があった。エビが草をちょこちょこと登ってくる。しかし、残念ながら彼の手が届くところに餌は無かった。我を忘れて、指先で餌をつついた。指の先に赤虫はくっついてしまい、あちゃ!と思ったその時。エビは指先から餌を食ってる!?小鳥や犬だって慣れるのにもっと時間がかかるぞ!可愛い奴ぅ。
 そんなこんなで1週間ほどたったある朝、出掛けに中をのぞいてみるとラスボラの様子がおかしい。横になったりふらふらしたり、今にも死にそう・・・。泣きそうな俺に奴はこう言った。「兄貴ぃ。俺はもう駄目だ・・。兄貴ぃ。俺に構わず行ってくれぇ。兄貴が行かなきゃ誰が馬鹿息子の面倒見る・・ん・・すか。」奴は底に横たわった・・・。二度と動かなかった。
 ブクブクが無いのがいけんのじゃあ!1週間目に決意した。
弐号器登場・・・
ネオンテトラ&コリドラス&ビーシュリンプ  今度はブクブク付きじゃ!ラスボラ!お前の死は無駄にはせんけんのう!意気揚々と水をいれ、水草を半分移植する俺。む?まんまるの時は気にはならなかったが、今度のはレイアウトっちゅうモノを考えなきゃだめか?
 さらに、もう悲しい思いはたくさんじゃとばかりに、朝から晩までそれこそ寝る時間も削って観賞魚について調べまくった。その勢いたるや写真、オーディオ、自転車、バイク、パソコンの時をはるかにしのぐ勢い。普通の人なら、「あのう・・・そのへんにしといたほうが・・・」と話し掛けるところだろうが、俺の性格を古くから知る人間ならそいつの肩に手をかけ、伏目がちに首を振る(ため息混じり)しかなかったろう。
 それから10日も過ぎる頃には、熱帯魚検定なんてものがあれば2種ぐらいは取れるんじゃないかという位、俺は知識を深めた。もっとも、知識だけが先走りし、人間性そのものにおいては5歳児もかくやといわんばかりの辛抱の無さで、いきなり投入、翌日☆に。とか、暑さでエビが茹で上がるなんてことはさんざんやってしまい、その度にフリーマンのように涙を流したりした。
 エアコンぎらいの俺だったが、魚たちのためにと27度キープでつけっぱなしで出かけるようにしたりした。
 しかし、いかんせん水槽が小さすぎるため水温や水質の変化が激しく(ほんとは水質の安定に1ヶ月ぐらいはかかるんだよね)虐殺を繰り返し、新たなチャレンジャー魂がめらめらと燃え上がってくるのを何人たりとも止めることは出来なかった。
そして、一月ほどで参号器登場・・・
マーブルハチェット&ネオンテトラ&コリドラスアエネウス&オトシンクルス&コリドラスピグマエウス&ドワーフツメガエル&スジエビ&石巻貝&ウイローモス&リシア&ウイステリア&その他  数々の魚たちを☆にし、1ヶ月も過ぎる頃には小さな水槽ではあふれる涙だけで一杯になり、もっとたくさんの涙を受け止めるべくついにでかい水槽購入へと走る。もはやトップ8000rpmってところだ。(V-boostはこの1ヶ月間かかりっぱなしだ)
 調べ倒した結果、その筋では有名な東銀座のパウパウアクアガーデンにいた。(会社の近所だしね)
 誰も俺を止められねえぜ!NISSOのi-macよりでかい水槽と買いあさった水草を抱え俺は満員電車に乗っていた。(店のお兄ちゃんもまさか電車で持って帰るとは思ってなかったらしい・・・。)
 何やかんやで夜間の作業となったが、明日まで待てるわけもない俺はまず、空と海を作り、その間に陸を作った。神様ほど気が長くないので1時間ほどで完成させた。産めよ増えよ地に満ちよ。
 翌日、会社をサボった事は言うまでもない・・・。
だれか俺を止めてくれ(イヤ止めるな)(止めろ!)(どっちだ!?)
i-mac NISSO R360 MITSUBISHI RTF171M IBM Thinkpad 1124−73J