追加と言っても、前回のレポートから相当な時間が経過してしまった。さすがに江田方面ともなると、何かのついでってこともそうそうないわけで、逆に言えばやっと念願の有田陶芸倶楽部は器楽で夕食アンド日本酒とあいなったわけだ。 　前回のランチのレポートで、夜も期待が出来そうだという終わり方をしていたのだが、結論としてはズバリ！いけてます。まあ、飲み屋的な使い方も十分ありだと思うが、基本的にはお食事処のニュアンスがでかい。しかし、酒と食い物は同等に楽しむのが岡星流なので、細かいことは気にしない。　ちなみに、週末なんかだと結構混んじゃうんで、夜の部の始まる6時より前に店に入り（6時までは喫茶タイムになっている）ビールなんぞを飲りつつ（お勧めは琥珀の時間）夜の部の開始待ちってのが大人ってもんでしょ。 　夜の部は基本的にはコースになっている。しかし、いわゆる和の基本的な流れに沿っているので、一の膳から三の膳まで懐石風な組み立て。つまり、酒を楽しむこともあらかじめ想定されて組み立てられているのである。今回、岡星が頼んだのは有田華御膳ってやつで4800円也。九州の食材をメインに組み立てられた、いわゆる懐石風創作料理だ。

一応、有田ってことに敬意を表して、まずは窓の梅純米吟醸を一合注文。前回わかったことだが、その名の器楽ってとおりここは器が楽しみなのだな。酒的には結構ワインやなんかも置いてあるんだけど、やはり器を楽しむという点で、ここでは日本酒をおいて他には考えられますまい。 　さてさて、注文して少々待っているとまずは日本酒が運ばれてくる。お、うさぎですか？よく見れば月もいるではないですか。季節的なことはともかくも、なかなか良いではないですか。うさぎ→月とくれば、中秋の名月ってのは誰でも浮かぶイメージ。ココはむしろ春の宵って想って見れば、こいつもまた風流だねえ。しかも、酒は窓の梅だし。杯のなかにもウサギがいたりして。

こいつでつつーっと酒を飲み始める頃、絶妙のタイミングで運ばれてきました。一の膳は（酒菜）となっている。ふむ。まずは、酒のためなのだな。刺身が、鰆のたたき・鮪・甘海老ってところ。美味ー！鰆ってこんなに美味かったのね！ちょっと衝撃！ふむ。やはり肴は旬のものに限りますな。その他の小鉢が、水菜と浅利の和え物・うるいのお浸し・有田名物ごどうふですか。んー確かに酒に良く合う。しかも、そんなに味付け濃くないものばっかりなんで、酒を呑めない人だって前菜としても結構イケてるでしょう。岡星もちょっとわかんなかったんだけど“うるい”ってのはゆり科の植物で、癖のないノビルとかって感じでしょうか？いずれにせよ、九州では日本酒の位置づけは“甘い酒”なのだが（辛口とかを望むのなら、焼酎になっちゃうんだな）甘口の酒とも相性ばっちりってかんじ。ごどうふってのは、たぶんゴマ豆腐のことではないかと思うが、ジーマーミ豆腐見たいな食感。かかってるゴマだれがめちゃ美味い。これ舐めながら酒呑めるぞ。

さて、続いて二の膳が運ばれてくる。この時点で、窓の梅はなくなりました。やっぱしココは器を楽しむところなんだねえ。次の酒を頼むのが楽しいもん。で、やはりここは九州くくりかなと。とりあえずは、お姉さんに聞いてみる。二の膳には美少年の純米をお勧めとのこと。大してかわいくも無い姉ちゃんだが、愛嬌のある笑顔で勧められる。ふむ。変なコンセプトショップ何かと違って、店員の対応がしっかりしてる。そしてやはり、そいつも不思議な器で登場。全体に桃を主張してるためにちょっと中華っぽい雰囲気はあるものの、どっから入れんじゃい？な器。春だねえ。

二の膳は温物の膳。牛タンの旨煮・鯛の木の芽焼き、蚕豆檸檬煮添え・そして茶碗蒸しってところ。ああ、牛タンのとろとろ加減がステキ。いい具合に薄味でステキ。（ちなみに佐賀牛らしいよ）焼き物はやや濃い目の味付け。これがまた純米美少年の濃さに良く合う。舌休めに茶碗蒸し。気が付きゃすっかり飲みきっちゃった・・・。もういっちょ。とも思ったが、こういう時は切り上げも大事。ここはたぶんに、こちらの進行状況とかを店員さんたちが見ているのだろう。それぞれの酒の進み具合や、食事の進み具合でビンゴー！って感じで出て来る。酒を追加しようかなあ、やめとこうかなぁあたりで、ご飯をお持ちしましょうか？と言ってくる。多分、もう一合追加してたら幸せレベルをちょっと超えてたかもしんない。

三の膳は、揚げ物とご飯物。この辺までしぶとく飲まないのが大人。天ぷらは蟹と旬の野菜。大豆ご飯とお吸い物・香の物。さくさくといただきます。む!?この大豆ご飯、美味ー！大豆が入ってるご飯なんて岡星的には、雑穀入りご飯って感じだったんだけど、こんなに美味いものだったのね。結構な量、食って飲んでるにもかかわらず、パクパクっと食べちゃったよ。 　デザートに甘物とコーヒーが付いて、一服。んーちあわちぇー。これは内容を考えれば超お徳だぞ！対満足度費でもむしろ安い！ 　やはり昼来た時の予想通り、夜は数倍楽しいかも。とりあえずおすすめです。